コーポレートガバナンス

当社は「最先端の優れた医療機器の開発と販売を通じて、医療に貢献する」を経営理念としており、医療に関わる事業を展開することにより、社会的な使命・責任を果たすとともに、株主をはじめとしたステークホルダーとの信頼関係の維持・向上のために、会社の持続的な成⻑と中⻑期的な企業価値を向上すべく、コーポレートガバナンスの強化を目指しています。

1.コーポレートガバナンスの基本的な考え⽅

当社は、当社グループの持続的な成⻑及び中⻑期的な企業価値の向上を図る観点から、当社の意思決定の透明性・公正性を確保するとともに、経営資源を有効に活⽤し迅速・果断な意思決定により経営の活⼒を増⼤させることがコーポレートガバナンスの要諦であると考え、次の基本的な考え⽅に沿って、コーポレートガバナンスの充実に取り組みます。

  1. 株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
  2. 株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーと適切に協働する。
  3. 会社情報を適切に開⽰し、透明性を確保する。
  4. 独⽴社外取締役が意思決定の透明性・公正性を確保すべく中⼼的な役割を担う仕組みを構築し、取締役会による独⽴した客観的な⽴場から業務執⾏の実効性の高い監督を行う。
  5. 株主との間で合理的な範囲で建設的な対話を行う。

2.コーポレートガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス体制図

1.監督
(1)取締役会

取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、当社が持続的に成⻑し、中⻑期的な企業価値の向上を実現するため、経営戦略や経営計画など経営に関する重要事項を審議・決定します。また、執⾏役員による業務執行状況、関係会社の重要な業務執行状況、当社及び関係会社のコンプライアンスやリスク管理、サステナビリティ推進等の報告を行うことで、当社グループの経営全般について監督します。
また、取締役会は、取締役会全体としての知識、経験、⾒識、能⼒のバランス、多様性及び規模に関する考え⽅を定め、事業環境を踏まえた全体的バランスに配慮のうえ、性別・人種・国籍等を問わず各取締役の知識・経験・能⼒等について最善と判断されるメンバーにより構成します 。また、独⽴社外取締役を複数名選任し、社外の企業経営者、法曹関係者等豊富な経験及び見識を有する者による意見を当社の経営方針に適切に反映しています。

(2)指名・報酬諮問委員会

当社は、取締役会の諮問委員会として、指名・報酬諮問委員会を設置しています。指名・報酬諮問委員会の委員の過半数は独⽴社外取締役とし、委員⻑は独⽴社外取締役としています。

指名・報酬諮問委員会の役割

  1. ① 取締役候補者・執⾏役員の選任及び取締役・執⾏役員の解任、監査役候補者の選任及び監査役の解任について、取締役会に答申します。
  2. ② 取締役及び執⾏役員の報酬等に関する⽅針及び個⼈別の報酬等の内容について検討し、取締役会に答申します。
  3. ③ 適切に会社の業績等の評価を行い、その評価をそれぞれの取締役及び執⾏役員の報酬に反映すべく、取締役会に答申します。
(3)サステナビリティ委員会

サステナビリティ委員会は、サステナビリティの推進に関する当社グループの横断的な方針・戦略・計画を審議することとしています。また、当社は、SDGs等で示されているサステナビリティを巡る課題への対応が当社の事業継続リスクの減少のみならず収益機会につながるマテリアリティ(重要課題)であるとの認識のもと、これらの課題へ積極的・能動的に対処することにより持続可能な社会の発展に向けた社会的責任(CSR)を果たしていくことを目指しています。

(4)リスク管理委員会

当社は、当社グループの事業を取り巻く様々なリスクに対し、リスク管理意識の浸透、リスクの早期発見を目的とし、リスク管理の方針・計画を立案すべくリスク管理委員会を設置しています。

(5)コンプライアンス委員会

当社は、コンプライアンス重視の企業風土の醸成を目的とし、法令・ルール遵守に関する方針・計画を立案すべくコンプライアンス委員会を設置しています。

(6)人的資本委員会

当社は、「サステナビリティを巡る取組みについての基本方針」のもと、人的資本経営に関する活動の推進を目的とし、人的資本委員会を設置しています。

2.業務執行
(1)執行役員会

執行役員会は、取締役会に付議すべき事項のうち事前審議を要する事項、及び業務執行の重要な事項について必要な審議・決議をするための機関として設置しています。

3.監査
(1)監査役会

監査役会は、株主から委託を受けた独⽴の機関として取締役の職務の執⾏、会社の内部統制、業績、財務状況等について監査しています。具体的には、常勤監査役は、取締役会のみならず、執行役員会・経営会議等社内の重要な諸会議に出席しています。また、監査役は定期的に社長・執行役員等と意見交換を行っており、月次で稟議書及び執行役員会・経営会議の議事録回付を受け内容を確認しています。
また、監査役会は、外部会計監査⼈の選解任や監査報酬に係る権限の⾏使等の役割・責務を果たすことにより、会計監査にかかわる透明性・公正性を確保しています。

(2)内部監査室

内部監査室は、関係会社を含む当社グループの会計及び業務の監査を実施するとともに、結果について取締役会に報告しています。また、監査役、会計監査人及び内部監査室の間で連携を図り監査を実施しています。

(3)会計監査人

当社の会計監査人は、太陽有限責任監査法人であります。

3.内部統制システム構築の基本方針

(1)当社及び子会社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
  1. 当社グループの役職員行動規範、コンプライアンス委員会規程に従い法令等違反行為を未然に防止する。
  2. 業務執行に関し、必要に応じ弁護士その他専門家に適法性の確認をとることができる体制を整える。
(2)当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
  1. 当社の取締役の職務の執行に係る情報については、文書管理規程等に従い、文書または電磁的に記録し、適切に保存及び管理を行う。
  2. 当社の取締役及び監査役は、文書管理規程等に従いこれら文書を常時閲覧できるものとする。
  3. 当社の文書管理規程等を変更する場合は、監査役会の承認を得るものとする。
(3)当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
  1. 当社のリスク管理規程に従い、個々のリスクについて管理責任者を決定し、リスクに対し適切な予防と対策を行う。
  2. 当社の重大な事故、災害、不祥事等が発生した場合には、当社社長を本部長とする対策本部を設置し、損失を最小限に止める体制を整える。
(4)当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
  1. 当社の取締役会は3事業年度を期間とするグループ中期経営計画を定め、グループ会社全体として達成すべき目標を明確にする。
  2. 当社の取締役会の下部組織として当社の業務執行役員会等を積極的に活用し、取締役の職務の執行の効率性を確保する。
  3. 当社の組織規程、業務分掌規程に従い、担当部門、職務権限等を明確化する。
(5)当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
  1. 役職員行動規範、コンプライアンス委員会規程に従い、及び内部監査を担当する当社の内部監査室により、法令等違反行為の未然防止を図る。
  2. 当社の内部通報制度により、社内または社外の窓口に相談できる体制とする。
(6)子会社の取締役の職務の執行に係わる事項の当社への報告に対する体制

当社及び子会社の取締役が出席する子会社役員会を月1回開催し、子会社において重要な事象が発生した場合には、子会社に対し適宜報告を義務付ける。

(7)子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制

当社は、当社グループ全体のリスク管理について定めるリスク管理規程に従い、個々のリスクについて管理責任者を決定し、グループ全体のリスクを網羅的・統括的に管理する。

(8)子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

当社は3事業年度を期間とするグループ中期経営計画を策定し、当該中期経営計画を具体化するため、毎事業年度ごとのグループ全体の重点目標を定める。

(9)子会社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

当社は、当社グループの取締役及び使用人に対し、年1回、法令遵守等に関する研修を行い、コンプライアンス意識の醸成を図る。

(10)当社及び子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制
  1. 子会社との間で一定のルールを定め、子会社の重要事項の決定については親会社の承認を得るものとする。
  2. 子会社との取引についても、第三者との取引と同等の基準で審査し、適正を確保する。
(11)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項

取締役は、監査役がその職務を補助するための使用人を求めた場合は、これに応じ使用人を任命する。

(12)監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項

監査役の職務を補助すべき使用人は、監査役の指揮・命令に従わなければならない。当該使用人の任命及び解職については監査役会の同意を必要とする。

(13)監査役の職務を補助する使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項

監査役の職務を補助すべき使用人は、他部署の使用人を兼務せず、監査役の指揮命令に従わなければならない。

(14)当社及び子会社の取締役及び使用人が監査役に報告するための体制
  1. 当社グループの役職員は、法令等の違反行為等、当社または子会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実については、これを発見次第、直ちに当社の監査役または監査役会に対して報告を行う。
  2. 内部通報制度を担当するコンプライアンス委員会は、当社グループの取締役及び使用人からの内部通報の状況について、定期的に当社監査役に対して報告する。
(15)監査役へ報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制

監査役への報告を行った当社グループの取締役及び使用人に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止し、その旨を当社グループ会社の取締役及び使用人に周知徹底する。

(16)監査役の職務の執行について生ずる費用等の処理に関する体制

監査役がその職務の執行について生ずる費用等の請求の手続きを定め、監査役から費用の前払い等の請求または償還等の請求があった場合には、当該請求が監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用または債務を処理する。

(17)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
  1. 監査役会に対して、取締役及び使用人からヒアリングを実施する機会を与えることとするとともに、代表取締役、会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換会を開催することとする。
  2. 常勤監査役は、コンプライアンス委員会に委員として出席する。
(18)当社の財務報告の信頼性を確保するための体制

財務報告の信頼性の確保のため、内部統制システムを構築しており、その仕組みが適正に機能していることを内部監査室が定期的に評価し社長に報告をする。また、内部監査室が、財務報告における虚偽記載リスクを低減し、未然に防ぐよう監査することで、内部統制が有効に機能する体制としている。

(19)当社の反社会的勢力排除に向けた体制

反社会的勢力とは、一切の関係を遮断し、不当要求には毅然とした態度で対応することを「役職員行動規範」に定めている。また、反社会勢力の対応統括部署を人事総務部と定めており、警察と連携し、反社会的勢力からの不当要求等を排除する体制としている。

4.事業の適正を確保するための体制の運用状況の概要

当事業年度における業務の適正を確保する為の体制の運用状況の概要は以下のとおりであります。

(1) リスク管理に対する取り組み

リスク管理規程に基づき、当社グループのリスクを抽出・評価のうえ、2017年4月にリスク管理委員会を開催し、リスク毎の対応策を検討しました。以後、半期毎にモニタリングを実施することでリスク管理を強化しました。

(2) 職務執行の効率性の確保のための取り組み

当社グループは、取締役の職務の執行が効率的に行われる事を確保するため、当社グループの取締役及び幹部社員をメンバーとする担当分野別重点施策進捗管理のための会議を月一回開催し、各取締役の担当部門の重点施策について月次進捗レビューを行いました。

(3) コンプライアンスに対する取り組み

当社グループの役職員に向けてコンプライアンスの重要性に関するメッセージを発信することでコンプライアンスの意識向上に取り組みました。また、コンプライアンス(法令順守)に関する事例を記載したコンプライアンス・ガイドブックを配布し、コンプライアンス説明会を実施しました。

(4)監査役監査の実効性の確保のための取り組み

当社の監査役は、当社グループの重要な会議に出席したほか、取締役や役職者へのヒアリングを行うなど、業務の執行状況を直接的に確認しました。また、代表取締役社長、会計監査人または内部監査室との会合を定期的に実施することで情報交換及び相互の意思疎通を図りました。

5.役員報酬の状況

当事業年度における当社の取締役及び監査役に対する報酬等の総額は以下のとおりです。

(2023年3月31日現在)

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額 (百万円) 対象となる
役員の員数
(名)
基本報酬 業績連動
報酬(賞与)
業績連動型
株式報酬
取締役
(社外取締役を除く)
98 61 28 8 6
監査役
(社外監査役を除く)
14 14 1
社外取締役 16 16 3
社外監査役 9 9 3

(注)業績連動報酬及び業績連動型株式報酬制度の対象となっている取締役(社外取締役を除く)は3名です。
業績連動型株式報酬は、2016年6月23日開催の第44回定時株主総会におきまして決議いただきました株式交付信託を採用しています。なお、本年度中に交付した株式はございません。