社長挨拶

(株)日本エム・ディ・エムは、今年の5月に50周年を迎えることになりました。当社を支えて頂いた皆さまに大変感謝しております。

当社の歴史を振り返りますと、1973年に事業を開始し、その後、骨折治療材料を米国から輸入販売する事で事業を拡大、1994年には世界最大市場である米国に人工関節メーカーとして事業参入することで米国においても「医療に貢献する」という企業理念の実現に着手しました。2012年には日本の患者さん向けに日本人の骨格体形にあった治療材料を提供したいという想いから、骨折治療材料や脊椎固定器具のメーカー機能を強化するなど、商社からメーカーへの業態転換を進めて参りました。また、新たな海外市場への取組みとして2021年には中国における人工関節の製造販売事業にも参入し中国においても「医療に貢献する」を実現すべく様々な取組みを推進しております。

一方、ここ数年は、新型コロナウイルス感染症により、我々のライフスタイルだけでなく医療の現場も激変しました。また、ウクライナ・ロシア問題発生に起因するサプライチェーン問題、日米金利差などに起因する急激な円安進行など、当社グループにとっても様々な環境変化がありましたが、50周年という節目の年を迎える事が出来、大変嬉しく思っています。

さて、国内における医療機器業界を取り巻く環境は、社会保障関連経費の財源問題等により特定保険医療材料の償還価格の引き下げ等により、今後も引き続き厳しい市場環境が継続すると想定しております。しかしながら、団塊の世代の方々が全て75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%となり、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%を占めると推計されていることから、整形外科医療機器関連市場は中長期的な拡大が見込まれます。また、既に進出している米国や中国においても、日本同様、高齢者人口の増加に伴い整形外科医療機器市場の拡大が見込まれ、当社グループが夫々の国と地域で医療現場の様々なニーズに高い専門性をもって対応していくことが、更なる発展・成長につながるものと考えております。

こうした事業環境を踏まえ、当社グループは、2022年3月期から2024年3月期までの3ヵ年を実施期間とする中期経営計画「MODE2023」を策定し「治療成績の向上等、様々な医療現場ニーズへの対応に加え、治療価値向上(安全性・有効性、入院期間短縮による治療収益改善など)に資するサービス(インプラント・医療工具、手術支援システムなど)を、より高い専門性をもってタイムリーに医療現場に提供し、患者のQOLに貢献する」を中計経営方針とし、その実現に向け「海外ビジネスの拡大」、「開発・調達力の強化」、「人材・組織の専門性強化」及び「デジタル化の推進」を重点施策と定め推進して参りましたが、最終年度となる本年度も、これら施策を実行していくことにより、収益の維持・向上に努めてまいります。

また、全てのステークホルダーの皆様のために、全社一丸となってマテリアリティ(重要課題)に取組むことで、魅力ある日本エム・ディ・エムグループの実現を目指してまいります。

引き続き「医療への貢献」を通じ社会に貢献する姿勢を貫いてまいりますので、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長 弘中 俊行