人工関節

人工関節とは、何らかの疾患によって関節の機能が損傷を受け、その機能を回復するために人工の材料を使って置き換える製品をいいます。

人工関節分野に進出するにあたり、1996年に人工股関節「ODCバイポーラシステム」の日本での販売を開始いたしました。2001年には人工膝関節「バランスド・ニー・システム」を発売し、現在の股関節と膝関節の関連製品の基盤を作って参りました。
人工股関節(Hip Joint)分野においては、2011年以降製品ラインナップを増強し人工股関節慢性疾患分野への本格参入を果たしています。
人工膝関節(Knee Joint)分野では、2004年より再置換にも対応可能なラインナップを導入しており、人工膝関節慢性疾患分野における多様な症例にも対応可能なシステムとして拡充を進めています。

人工股関節:Hip Joint Products

変形性股関節症・関節リウマチ・大腿骨頭壊死・大腿骨頚部骨折等の疾患に応じて、大腿骨頭および骨盤側を金属、セラミックおよびポリエチレンに置き換え、痛みを取り除くことにより機能を回復させます。

2014年以降からは、術式の変遷や日本人の骨格を考慮した開発も進み、「Ovation トリビュート ヒップステム」、「アルパイン ヒップステム」を発売、2018年には新たな表面コーティングを施した「レジェンド アセタビュラーカップ」2019年には「エントラーダ ヒップステム」を発売しています。

人工膝関節:Knee Joint Products

変形性膝関節症・関節リウマチ等の疾患に応じて、膝関節における大腿骨側と脛骨側および膝蓋骨を金属およびポリエチレンに置き換え、痛みを取り除くことにより機能を回復させます。

2015年からは、「バランスド・ニー・システム」の実績を踏襲した後継機種「BKS トライマックス」を発売し、順次ラインナップを拡充しています。また、術中に膝関節周辺にある靱帯組織のバランスを確認・調整するための周辺機器の充実も進めています。

脊椎固定器具

脊椎固定器具とは、脊髄や神経を圧迫している因子である椎間板や靱帯を取り除く手術を行うことにより、不安定となった脊椎を矯正・固定するために使用する器具をいいます。

2012年に米国子会社ODEV社製製品「Vusion OS インターボディCage」の販売を開始し、2014年に「Pagoda スパイナル システム」、「IBIS スパイナル システム」をラインナップに加えることで、主要な脊椎固定器具市場へ参入し順次ラインナップを強化しています。
また、販売提携により内視鏡視下脊椎手術システム等の最新の手術支援システムの導入を進め、脊椎疾患治療への対応を拡大しています。

脊椎固定器具:Spine Products

脊椎の骨折やヘルニア、すべり症等の神経症状を呈する症例で手術を行う際に、脊椎の椎体に挿入したスクリューをロッドで連結することで脊椎を固定するシステムです。

これまで術式の変遷に応じたラインナップの追加を進めています。2018年には新たな業務提携により、椎体形成術に使用するシステムの販売を開始し、2019年には頚椎椎弓形成術用インプラント導入を進めることで、製品ラインナップによる適応範囲を拡大しています。

骨接合材料

骨接合材料とは、骨折した骨の固定を行うための体内に埋め込む(インプラント)製品をいい、スクリュー、プレート、髄内釘等があります。

高齢化が進むことにより骨接合材料市場は伸張することが想定される中、2010年から販売提携により「OM フェモラルネイル システム」を販売し、2012年には米国子会社ODEV社と「日本人の骨格を考慮したインプラント」をコンセプトに共同開発をした「MODEシリーズ」を販売し、順次製品ラインナップの改良・更新を進めています。

骨接合材料:Trauma Products(スクリュー&プレート)

骨折部に橋渡しをする様にプレートをあて、プレートに複数あるそれぞれの穴にスクリューを挿入して骨折部を固定することで、骨の癒合を促進する方法です。

2012年から発売の「MODEシリーズ」では、日本人のCTデータをベースに設計しています。特に骨折の頻度が高く、骨の 形状が様々な骨端部(関節付近)のラインナップに重点を置き、プレートとスクリューがロックするロッキングプレートを採用し固定後の骨折部の安定性を向上しています。

骨接合材料:Trauma Products(髄内釘)

骨折した四肢(腕・足)の長い骨(長管骨)の髄腔に挿入して骨を固定する材料(インプラント)です。

髄内釘は、骨の髄内を通して骨折部を跨いだ両端に横止めスクリューを挿入することで、折れている骨の回旋や短縮等の動きを強固に固定することが可能です。
また、通常の手術では髄内釘と横止めスクリューの挿入部に比較的小さな傷で固定が可能で、骨折部を展開しないため骨の 癒合にも有利な方法であり長管骨骨折の治療方法として広く普及しています。

人工骨

骨折や骨腫瘍などで生じた骨の欠損部分に対してその隙間を埋めるための人工物です。
高齢化の進行により、骨粗しょう症の増加に伴う骨折の増加とともに、今後の人工骨の需要はさらに増すことが想定されています。

材質は、患者様の骨に置き換わる材質(コラーゲン使用人工骨、β-TCP)で、形状は、人工関節、脊椎固定器具、骨接合材料、それぞれに適した形状をラインナップしております。

人工骨補填材(蛋白質配合型)

コラーゲンと低結晶性ハイドロキシアパタイトからなる、自家骨類似構造の人工骨です。
湿潤時にスポンジのような弾力性を有するため、容易に形状を変更することが出来、患部にフィットさせることが出来ます。

人工骨補填材(焼結体)

焼結体(固形状)は、製法により、多孔体、緻密体があり、それぞれに多孔率と強度が異なります。
当社では、多孔体をラインナップしており、形状は、顆粒、ブロック、等が選択可能です。

当社は米国子会社Ortho Development Corporation社(以下、「米国子会社ODEV社」)と共同で「日本人患者の骨格体型に合致し、日本人医師ニーズを満たす製品の提供」というコンセプトで骨接合材新製品の開発、薬事承認を取得し販売を開始しました。この骨接合材料は「MODE」として販売されています。また、同社は2019年9月に創立25周年を迎えております。膝と股関節の完全な置換、外傷骨折の修復、脊椎治療のためのインプラントと手術器具を含む製品ポートフォリオでの実績を積みながら飛躍的に進化しております。